外部環境分析の進め方
外部環境に関する情報は、
世の中には無限にあります。
それを詳細に調べていては、
時間がいくらあっても足りません。
そのため、外部環境の分析には、
ある程度の割り切りが必要です。
しかし、
事業にインパクトのある環境変化を抽出し
忘れることは避けたいものです。
次の3つのステップで外部環境分析を行うと、
抽出漏れが少ないようです。
- ①事業を理解する
- ②データを集める
- ③事業への影響を考え、データを評価する
では、3つのステップを説明していきます。
-
1. 事業の理解はビジネス俯瞰図と財務諸表
- 外部環境分析を行う前に、
- クライアント企業の事業をきちんと理解しなければいけません。
- 事業の理解には、
- まず、ビジネス俯瞰図を描くことから始めます。
- ビジネス俯瞰図とは、
- ビジネスの流れを描いたものです。
- 描き方にルールはないのですが、
- クライアント企業の川上、川下を描き、商流を理解します。
- その際のポイントは、
- 川下については、
- 最終的な消費者に至るまでの過程を描くことです。
- 消費者まで描くと、
- 幅広い視野で環境変化を捉えることができるからです。
- 次に財務諸表から事業へのインパクトを確認します。
- 財務諸表は事業の結果であり、
- そこから読み取れることは多いです。
- 財務諸表からは費用構造から割合の高い科目を明確にします。
- 割合の高い科目は、
- 事業への影響が大きい事象と考えることができます。
- たとえば、燃料費が大きかったら、
- 原油価格の変動が事業へ与える影響が大きくなるため、
- 環境変化を調べる必要があります。
- 一方で、割合が低い科目については事業への影響は少ないので、
- 調査する必要はないでしょう。
2. データの収集は業種別審査辞典とネット検索
クライアント企業の事業について、
- ビジネス俯瞰図と財務諸表から、
- 何を調べたらよいかを考え、
- 業種別審査辞典とインターネットでの検索で調査します。
- まずはじめに、
- 業種別審査辞典で、
- クライアント企業の所属する業界と、
- 川上・川下の業界を調査します。
- 業種別審査辞典には、
- 各業界の特性と基本的なデータが掲載されており、
- さらに掲載されているデータの引用元が書かれています。
- 報告書用のデータが必要な場合は、
- 引用元から元データを取得して加工すれば、
- 探す時間が少なくなります。
業種別審査辞典での調査が終わったら、
インターネットで検索していきます。
この段階ではデータは集めるだけ。
重要かどうかの仕分けくらいでよいでしょう。
なぜならば、ここでデータを評価すると、
自分の考える仮設にあった情報ばかりを集めてしまうからです。
最後にフレームワークを活用して、
調査漏れがないかを確認します。
3. データを評価し、まとめる
集めたデータを読み込み、
事業に追い風(プラス)か、
向かい風(マイナス)かを評価していきます。
評価のポイントは、
①企業にとってどうかを問い続けること
②フレームワークを活用すること
です。- 企業にとってどうかを問い続けるとは、
- 環境変化がクライアント企業にとって
- どのような評価になるかということです。
- 集める情報の中には業界のレポートなども含まれます。
- 業界レポートは業界全体の
- 傾向を示すものでありますが、
- 企業によっては当てはまらないこともあります。
- たとえば、
- 食品業界で、円安により仕入価格が上昇し、
- 経営を圧迫するとあっても、
- そのクライアント企業の調達先が
- 国内だけであったら影響は少ないです。
- このように、
- 個別に当てはめて考える必要があるのです。
- 評価が終わったら、最後にまとめです。
- まとめはフレームワークを使って
- 情報を整理していくとよいでしょう。
- フレームワークを使うことで、
- 情報の漏れが少なくなります。
- また、フレームワークで報告書にまとめると、
- クライアントに伝わりやすくなります。
この3つのステップが私の型です。
これを参考に、
自分なりのやり方を生みだしてください。