働き方改革が失敗する3つのポイント
働き方改革の失敗要因
いよいよ2019年の4月から大企業、翌2020年4月から中小企業へも残業規制が始まります。それに向けて、動き出している企業も多いです。私の方にも働き方改革に関する相談や引き合いで多くの企業と面談させていただいております。
企業様と打ち合わせを行うと、自社で残業削減に取り組んだが、成果につながっていないために相談したという企業様も多いです。
企業様からとのヒアリングから失敗した要因を分析すると、結果重視、IT、企業視点という3つの共通点が挙げられます。
結果重視
結果重視というのは、残業時間の目標を設けて、残業時間に焦点を当てて取り組むことです。たとえば、週次で残業時間を管理して、減らすように管理していくというものです。消灯時間を決めるというのも、これにあたるでしょう。
目標を決めて取り組むというのは悪いことではありません。しかしながら、残業時間は業務量とやり方の結果であり、業務自体の見直しや業務のやり方を抜本的に変えない限り、時間を大幅に変えることはできません。
結果である残業時間にこだわると、家への持ち帰りなどが増えるだけで、抜本的な解決にはつながりません。
ITツール依存
IT依存というのは、ITツールの導入で抜本的に解決しようということです。RPAの導入などといったことが挙げられます。ITツールを入れれば、魔法の杖のように生産性が向上すると考えている方も多いように思います。
ITツール自体に導入には否定的ではありませんが、ITツールを入れるには正しい順があり、それを守らないと生産性が上がるどころか、下げる要因にもなりかねません。
ITツールを使い生産性を向上させるには、業務の標準化が必要です。現場の業務を標準化をせずに導入すると、手作業で例外作業が増えたりします。もしくはITのカスタマイズ投資が多額になります。
業務を整理し、プロセスを標準化したのちでないとITは効果を発揮しないのです。
従業員目線の欠如
従業員目線というのは、従業員の都合を考えるということです。多くの場合、浮いた残業代をどうするかということです。
企業経営の視点からすると、残業代は生活給ではないのです。しかし、従業員の視点からすると、残業代は生活給になっているのです。ですので、残業を少なくすると、生活が苦しくなる従業員も多いです。そのため、残業削減のプロジェクトが始まると、いろいろ理由をつけて、残業する社員も多いです。
これを防止するには、残業代は社員の生活給と考え、社員に還すというという選択肢が良いでしょう。これがないと、一時的には残業が削減できても、数カ月経過すると、前の水準に戻ってしまうのです。
実質賃上げになりますが、残業費用を固定費と考え、効率的に仕事をして、新たな価値の創造に目を向けるのが経営陣の仕事でしょう。